研究課題/領域番号 |
04551003
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
吉田 敦也 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50191573)
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研究分担者 |
村上 雅義 国立循環器病センター, 周産期治療科, 医師
堀尾 裕幸 国立循環器病センター, 研究所, 室長 (20157069)
千葉 喜英 国立循環器病センター, 周産期治療科, 医長
長谷川 利典 大阪大学, 医学部・保健学科, 教授 (90144469)
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キーワード | ヒューマンインタフェース / 保育器 / 未熟児 / 集中治療 / 行動 / 観察 / ロボット / マザーベース |
研究概要 |
本研究は、ハイリスク未熟児の集中医療においては、医学的治療に加えて、情緒や社会行動の健全な発達を促進する心理行動の管理が不可欠であるとの立場から、児がどのような行動を自発させ、また養育者からの働きかけや外界の刺激に対してどのように応答しているかを監視・解析するシステムの開発を目的に実施された。未熟児行動監視計測ロボットの開発には、マッキントッシュ・コンピュータの画像処理技術Quick Timeを中心に利用した。 本年度は、行動モニタリング・ロボットの試験的利用と総合的評価として、(1)ナースの呼びかけに対する未熟児の反応測定、(2)行動モニタリングデータの臨床評価と最適条件確定のためのパラメータ検討、(3)行動モニタリング・ロボットの操作性評価とモニターデータの蓄積/表示機能に関するヒューマンインタフェース評価、(4)2年間の本研究の総括、などを行なった。この結果、未熟児は、集中治療が行なわれている状況下においても、ナースからの呼びかけに対して、体動反応と同時に、心拍・呼吸などの生理的反応、さらには表情などの情緒的反応をも示していることが明らかとなった。また、児の症状に応じた行動モニタリングデータの変化も認められ、臨床所見に対応した行動特性自動検出の可能性が確認された。行動モニタリング・ロボット操作性に関しては、実際の現場ナースがデータ収集と分析を行ない、ロボット操作のわかりやすさ、表示データの見やすさなどを評価した。この結果、ナースは操作手順の学習に集中しがちで、手順の簡略化が十分になされなければ、収集データを児のケアに有効活用するまでに時間がかかることが示唆された。以上のことをまとめて最後に総括した。
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