研究分担者 |
内山 昭憲 株式会社エスビーシー, 設計技術者
村上 英幸 海洋電子株式会社, 主任研究者
竹内 文朗 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027299)
入倉 孝次郎 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027253)
尾池 和夫 京都大学, 理学部, 教授 (40027248)
|
研究概要 |
本年度は、海底地震計の設計・製作・実験を行った。潜水船で携行し、設置するためには、海底地震計の耐圧ケースは、非ガラス製であること、重量、大きさが、ある程度の大きさに収まることが必要である。このため耐圧ケースをアルミの筒で作製し、重量を増さないように内径を15cm程度に抑える努力を行った。センサー・記録システムを広帯域・高ダイナミックレインジに拡げるため、地震計には、フォースバランス型の地震計を用い、記録媒体としてはICを用いた。これにより速度出力で10Hzから10少まで一様との理想的なシステムが製作することができた。 海底地震計の本体の海底投下と自己浮上実験を、神戸大学淡路島臨海実験所で行い、すべてが正常に稼動することを確認した。この際に、設計に係る多くの不具合を発見し、1カケ月以上にわたりそれらの修整と調整を行った。第1回深海実験は、7月に沖縄トラフ・伊平屋海丘において実施した。海底地震計は、「しんかい2000」により携行され、海底に設置された。設置場所は、熱水活動域で、ブラックチムニーなどが発見されており、これらの活動による雑微動を検出することを試た。しかしながら、倍率調整に不備があり、雑微動を把えることができなかった。第2回実験は、北海道の西奥尻海嶺で行われた。「しんかい6500」により、海底地震計は携行設置され,3日間観測が行われ,数個の地震が記録された。地震計は,奥尻海嶺の岩盤上に設置され,極近傍の地震を把えることができ,ここで設計された地素計の制能が充分に発揮された。次年度へ向けての検討課題が,以上の実験から明きらかにされた。 今後の課題として,消費電力を下げ,観測期間を増すこと,地動のサンプリング周波数を上げ,微小地震を充分にカバーできる制能を持たせる必要があろう。さらに,海底地震計の単価を下げるための種々の方策をとることも重要である。
|