研究課題/領域番号 |
04554016
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
池上 雄作 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (60006294)
|
研究分担者 |
秋山 公男 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (10167851)
手老 省三 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (80111318)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1993
|
キーワード | 時間分解分光法 / 多重共鳴法 / 電子スピン共鳴 / 光化学反応中間体 / 励起状態 / 電子スピン分極 |
研究概要 |
本試験研究は時間分解多重共鳴スペクトル測定のための新装置を試作し、光化学反応過程に関与する短寿命常磁性種の構造及びダイナミックスに関する情報を飛躍的に向上させることを目的として行われた。励起用レーザーパルスとラジオ波パルスを同期し、電子スピンの異常分極が緩和する前のフリーラジカルや励起三重項状態の時間分解多重共鳴スペクトル測定装置を試作した。さらに、現有のパルスEPRスペクトロメーターと組み合わせることにより、任意のマイクロ波-ラジオ波パルス系列を用いた測定のためのシステムを完成させた。これにより、本手法が磁気的に強い相互作用系に有用であることを確認し、磁気的に弱い相互作用系に有力なパルスEPR法と相補的に用いることにより、短寿命常磁性種の研究に飛躍的な進展をもたらすことを明らかにした。 本試作研究での試作装置の性能確認の過程でいくつかの改良点も明らかとなった。特にラジオ波パルス系についての改良が中心となると考えられるが、主な点についてあげると(1)ラジオ波パルスの強度と照射のタイミングの最適化、(2)ラジオ波パルスの試料への照射効率の改善、(3)時間分解EPR信号のS/N比の改善、及び(4)装置全体としての時間分解能の改善等が考えられる。 今後、本試験研究の成果を発展させるとともに、さらに他の測定手法(電子スピンエコー法)と伴せて短寿命ラジカルや無リン光性励起三重項状態の研究を総合的に押し進めていきたいと考えている。
|