研究概要 |
平成4年度 1.同位体比精密測定用質量分析計のセットアップ. 平成4年7月に搬入し、10月よりアラニン、炭酸ナトリウムなどの標準試料を用いて、国際的な測定のスタンダーダイゼイションを半年に渡って実施中である。これ迄の結果、 ^<15>N(δ^<15>N)に関しては±0.15‰以下、 ^<13>Cに関しては0.10‰以下の変動巾で高精度分析が可能となっている。 2.燃焼法真空ラインの組立て. 有機物を窒素ガス,炭酸ガスに変換するシステムを製作した。現在、各種生物試料(動植物プランクトン,魚・鳥,白アリ,高等植物),メタン等について ^<13>C及び ^<15>Nの自然存在量を測定し、順調な成果をあげている。 3.徴量化導入部の作製. 高純度ヘリウム,流量計,メタルコック,電気炉,小型キャピラリートラップから構成される金属導入部を試作し、上記の質量分析計に接続し、炭酸ガス及びメタンの ^<13>C含量(δ^<13>C)の微量迅速分析法を検討した。メタンの燃焼を確実にするための電気炉の構成に時間をとられているが、現在0.1ulの試料量で±1‰の精度で測定できることを確認している。 4.琵琶湖における実験. ^<13>C, ^<15>Nトレーサー法によって、植物プランクトンの代謝活性の測定を行った。またネットと手による動物プランクトンの分取を行いその自然存在比を測定する試料を調整した。 5.木崎湖および諏訪湖における実験. 懸濁粒子,動植物プランクトンについて、δ^<13>Cの測定を行った。また諏訪湖の動植物プランクトンについても、代謝活性測定のための ^<15>Nトレーサー実験を行い、 ^<15>N標識アンモニウムが半日〜1日のインキューベーションで、特定の分取した動物プランクトンに移行する速度を検出できた。
|