研究概要 |
本年度の研究実績の一部を下記にまとめた。本年は最終年度のため、別途「研究成果報告書」をまとめた。 1.ガスクロマトグラフ/燃焼炉/同位体比精密測定用質量分析で構成されるフロースルー法を完成させ、気泡メタンの炭素同位体比の測定を行った。試料ガスの分離カラムを検討し、Chrompack Pora PLOT Q(0.32mmid.×25m)を使用した。結果として1〜5μlのメタンについて±0.5^0/_<00>の測定精度を得ることができ、測定に要する時間は15分で4サンプルであった。 2.同上のHcフロースルーシステムを用いて琵琶湖湖水の全炭酸(SIGMACO_2)のδ^<13>C値の測定法を開発した。試水はブチルゴム栓つき血清瓶(69ml)に採取し、0.1mlHgCl(飽和)を加え保存した。血清瓶の試水5mlを高純度ヘリウムで置換後、CO_2を除いた6NHCl0.5mlを加え混合後、一昼夜静置した。ヘッドスペース法により100-400μlのガスをGC/C/IRMSに打ち込んで分析を行った。測定誤差(2σ)は0.2^0/_<00>程度であった。本法はSIGMACO_2の炭素同位体自然存在比を知るために有効であるのみならず、光合成炭酸固定活性やCO_2の生成を伴うあらゆる生化学反応系の研究に応用が可能となる。 3.将来の^<13>C・^<15>Nトレーサー法のため、琵琶湖湖水から微小動植物プランクトンを分離分取する方法の検討を行い、δ^<13>C,δ^<15>N自然存在比の測定を行った。分離分取の概略は以下の通りである。水中ポンプを用い、深度5m層から試水を汲み上げ、船上のネット(メッシュサイズ300μm,150μm,70μm,40μm,20μm)に注ぎ、動植物プランクトンの一次分画を行い、次に各分画について実体顕微鏡下でソーティングを行った。微粒子についてはグラスファイバーフィルターGF/DおよびGF/Fを用いてろ過を行った。これらの試料について、炭素・窒素同位体比の測定を行い、良好な結果を得た。 4.これらのシステムは、現在全国共同利用に公開され、ガス代謝,炭素・窒素安定同体比の研究に利用された。これまでの利用研究機関は10以上である。
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