生理活性物質の多重免疫測定法の開発

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 04554030
• 研究機関: 群馬大学
• 研究代表者: 若林 克己 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (80008614)
• 研究分担者: 小林 久江 群馬大学, 内分泌研究所, 教務員 (80234839)
• キーワード: 免疫学的測定法 / 多重免疫測定法 / RIA / ホルモン / ラジオイムノアッセイ

研究概要

同一試料で多数の生理活性物質を同時に測定する多重免疫測定法の開発を目的として研究を行って来た。前年度における方法論的検討の結果、測定キットの作成が容易で、しかも貴重なホルモン抗体を有効に使用できる測定法として、第二抗体固相法を用いた競合的結合原理に基ずく方法で、放射性沃素標識を行ったホルモンを用いるものについて検討した。即ち、大量に入手可能でしかも安価な第二抗体(ホルモン抗体を作製した動物のIgGに対する抗体)をビーズにコートしたものを基本的に使用し、以下の2方法を検討した。
方法1:測定対象ホルモン(たとえば2種類)の標識体と標準品との混合物をウェルに入れ、最初のホルモンに対する抗体を加え、ビーズ1を加えて反応後ビーズ1を取り出してカウントし、第二のホルモンに対する抗体をウェルに加え、ビーズ2をくわえて再び反応させ、取り出してカウントする。
方法2:第二抗体コートビーズを測定対象ホルモン1,2,..対する抗体の溶液に浸すことでホルモン抗体をビーズに固相化し、標識ホルモンとホルモン標準品の入ったウェルにシリアルに、或いは同時に加え、反応後取り出してカウントする。
方法1に関してはラットLH、TSHを順序を入れ替えて試みた結果、ほぼ同じ標準曲線を描くことが出来、がやや手間が掛かる難点がある。方法2については、1/4インチのビーズを使用したシリアルな測定でLH,TSHについて良好な標準曲線が得られ、更に同時測定を行うために1/8インチビーズを用いて試みた結果、LH、FSH、TSH、LHについて一応標準曲線を描くことが出来、この方法をリファインしてmulti-riaのシステムを構築して行くつもりである。

研究成果

• [文献書誌] Gen,K.: "Molecular cloning of cDNA encoding two types of gonadotropin α-subunit from the masu salmon,Onchorhynchus masou:Construction of specific oligonucleotides for αl-and α2-subunits." J.Mol.Endocrinol.11. 275-282 (1993)
• [文献書誌] Inano,H.: "Promotive effects of diethylstilbestrol,Its metabolite(z,z-dienstrol)and a stereoisomer of the metabolite(E,E-dienstrol)in tumorigenesis of rat mammary glands pregnancy-induced with ratiation." Carcinogenesis. 14. 2157-2163 (1993)
• [文献書誌] Suzuki,K.: "Susceptibility of lactating rat mammary glands to gamma-ray-irradiation-induced tumorigenesis." Int.J.Cancer.56. 413-417 (1994)
• [文献書誌] "Quantitative analysis of hypothalamic-hypophyseal-teaticular system:Why testosterone can act under the nagative feedback control?" Endocrine Journal. 41(in press). (1994)
• [文献書誌] 小林久江: "RIA 検査と技術21増刊号" 医学書院, 340(5) (1993)
• [文献書誌] 水沼英樹: "妊娠・分娩・産褥と内科疾患(妊婦におけるホルモン測定上の問題点)" 中山書店, 321(7) (1994)