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1992 年度 実績報告書

極微弱ラマン散乱分光システムの開発と原子層レベルの材料評価への応用

研究課題

研究課題/領域番号 04555005
研究機関大阪大学

研究代表者

中島 信一  大阪大学, 工学部, 教授 (20029226)

研究分担者 木曽田 賢治  大阪大学, 工学部, 教務員 (90243188)
溝口 幸司  大阪大学, 工学部, 助手 (10202342)
播磨 弘  大阪大学, 工学部, 助教授 (00107351)
キーワード超薄膜 / ラマン散乱分光 / マルチチャネル検出器 / ノッチフィルター / ZnTe / ZnSe / GaSb / GaAs
研究概要

ホログラフィックノッチフィルターとダブルモノクロメターから構成される分光器にマルチチャネル検出器を接続した分光システムを試作し、原子層レベルの超薄膜からのラマン散乱検出を試みた。
本年度は
(1)反射鏡に銀鏡(反射率98%)を用いた分光器を組み立てた。
(2)マルチチャネル検出器を使用する際に必要なフィルター分光器の代わりにホログラフィックノッチフィルターを用いることを試みた。
(3)マルチチャネル検出器の直前に非対称スリットを新たに設け、レーリー光の除去を二重に行い、マルチチャネル検出器による低波数域(100〜400cm^<-1>)の測定を可能にした。
(4)GaAs(100)基板の上にZnSe,ZnTe及びGaSb超薄膜をエピタキシャル成長させ、本試作装置を用いてこの超薄膜のラマン測定を試みた。GaSb/GaAsについては25A^^°(約20原子層)のGaSb薄膜のラマンスペクトル、ZnTe/GaAsについては20A^^°(約15原子層)のZnTe薄膜のスペクトルを観測することができた。
この観測結果からGaSb薄膜はGaAs基板と部分的に格子整合を取り、膜厚が50A^^°以下になっても、結晶性が比較的良いことが分かった。これに対してZnTe薄膜の場合は基板と成長膜が格子整合をほとんど取らずfree standingの状態で成長するが、50A^^°以下の膜厚の場合には高密度の転位が発生し、結晶性が悪いことが分かった。
次年度は二組のノッチフィルターを使用してさらに低波数域のバックグラウンドの低下を図る。このことによって半導体薄膜の微弱ラマン信号のS/N比向上が期待でき、4〜5原子層の超薄膜のラマンバンドの測定、解析ができると考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 中島 信一: "Characterization of Ion Implantation Dose by Raman Scattering and Photothermal Wave Techniques" Jpn.J.Appl.Phys.31. L1422-1424 (1992)

  • [文献書誌] 萩行 正憲: "Raman Spectra of GaAs/AlAs Superlattices with Fluctuation of Period under Off-and Near-Resonant Conditions" Surface Science. 267. 426-429 (1992)

  • [文献書誌] 中島 信一(共著): "Light Scattering in Semiconductor Structures and Superlattices" Plenum Press, 19 (1991)

  • [文献書誌] 中島 信一(共著): "Elementary Excitations in Solids" North-Holland, 29 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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