研究課題/領域番号 |
04555006
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
小川 智哉 学習院大学, 理学部, 教授 (50080437)
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研究分担者 |
楢岡 清威 学習院大学, 理学部, 客員研究員
馬 敏雅 学習院大学, 理学部, 客員研究員 (60255263)
雄山 泰直 学習院大学, 理学部, 助手 (20265573)
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キーワード | CZ-Siウエハ- / denuded zone / intrinsic gettering / 析出酸化物微粒子の粒径 / 高温超伝導被膜の均質性 / 多重量子井戸構造積層膜 / 光の回折 / 面の粗さ |
研究概要 |
SIMOXウエハ-には、鏡面研磨面から360nm程度下の所に、厚さ80nm程度の酸化膜層が形成されている。この酸化膜層は、微細で粒径の揃った結晶粒が集合した多結晶層で、非常に良質な光拡散面となるため、きれいに縞が観察される。換言すると、『縞の見え方』、すなわち、『縞を構成する斑点の大きさと明瞭度』から散乱を起こしている面の粗さが測定できる。この方法では、表面に露出していない酸化膜層の工学的粗さを測定することが出来たが、焦点と光測定物体の位置を自由に変えると、被測定物体の微視的粗さから巨視的粗さと平面度まで、必要に応じた大きさで連続的に測定することが可能となった。 集積回路に不可欠なSZ-Siウエハ-には、適当な温度の熱処理によって、鏡面研磨面の直下にdenuded zoneが、表面から遠いウエハ-の内部には酸化物微粒子が析出している。この両者はシリコン・プロセスで最も基本的な素子構造であるが,ここで開発した測定法を用いると、denuded zoneと酸化物微粒子の析出領域との境界面の形状と酸化物微粒子の粒径を測定する事ができた。 この縞模様は被測定試料の工学的均質性を評価する手段としても有効で、(1)多重量子井戸構造を持った多層膜と(2)高温超伝導被膜の『不均質性』の検出と評価、(3)基盤とエピ膜界面の整合性の検討などが出来た。とくに、結晶表面、エピ膜界面などには結晶方位に準拠した凹凸(ピット)が存在することが多々あるが、これらも斜入射光で見ると、入射光の方向と散乱光強度との間には明瞭な角度依存性があるため、縞の『現われ方と明瞭度』から、基盤表面とエピ膜界面の評価が可能となった。装置として完成させるたる『縞の強度分布』が、随時、所要の位置で求まるようにした。
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