研究課題/領域番号 |
04555006
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
小川 智哉 学習院大学, 理学部, 教授 (50080437)
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研究分担者 |
馬 敏雅 学習院大学, 理学部, 客員研究員 (60255263)
楢岡 清威 学習院大学, 理学部, 客員研究員
雄山 泰直 学習院大学, 理学部, 助手 (20265573)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | CZ-Siウエハ- / denuded zone / intrinsic gettering / 析出酸化物微粒子の粒径 / 高温超伝導被膜の均質性 / 多重量子井戸構造積層膜 / 光の回折 / 面の粗さ |
研究概要 |
この干渉縞は、半導体レーザーからの近赤外光(波長 約980nm)を凸レンズで集光して、ななめにSIMOXウエハ-を照明した時に観察された。半導体レーザーから発振する光は扇状に広がるため、この光を凸レンズを用いて集光すると、光束は凸レンズの縁で制限されるため、レンズ焦点位置近傍には『円形開口による回折光強度』に『レンズの収差で生ずる変調』が重畳して、同心円状の縞模様と成って出現した。 SIMOXウエハ-の鏡面から360nm程度下には、厚さ80nm程度の酸化膜層が形成されている。この酸化膜層は、微細で粒径の揃った結晶が集合した多結晶層となっているため、この酸化膜層は非常に良質な光拡散面となり、縞が非常にきれいに観察された。換言すると、『縞の見え方』、すなわち、『縞を構成する斑点の大きさと明瞭度』から散乱を起こしている面の『荒さと平面性』が測定できる。すなわち、ここで開発した方法で、(1)SIMOXウエハ-内の酸化膜層のように、表面に露出していない構造物の光学的荒さを測定することが出来ること。(2)焦点と被測定物体の位置とを自由に変えて、被測定物体の微視的『粗さ』から巨視的『粗さと平面度』まで、必要に応じた大きさで連続的に測定することが可能となった。 集積回路基盤として不可欠なCZ-Siウエハ-の表面直下にはdenuded zoneがあり、表面から遠いウエハ-の内部には酸化物微粒子の析出がある。この両者は半導体素子工業で最も大切な要素であるが、ここで開発した測定法を用いると、denuded zoneと酸化物微粒子の析出領域の『境界面形状』と『析出酸化物微粒子の粒径』を計測する事ができた。 この縞模様は「多重量子井戸構造を持った積層膜」、「高温超伝導被膜の均質性」の評価、「基盤とエピ膜堺面の整合性」を適格に検出し検討するのにも有効であった。なお、装置としての完成度を向上させるため必要に応じて縞の強度分布が求まるようにした。
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