研究課題/領域番号 |
04555007
|
研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
今尾 浩也 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助手 (50203310)
|
研究分担者 |
槙原 昇 松江工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (40043640)
豊田 勝行 松江工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (60029064)
|
キーワード | 酸化物高温超伝導体 / 臨界電流密度 / 不純物添加 / X線光電子分光 / 電極 |
研究概要 |
(1)研究の第一段階としての高品質なBi系酸化物超伝導セラミクスの作製については、酸素比の違うPb酸化物の添加という新しい観点から検討した。大気中焼結による110K相単相Bi系酸化物超伝導セラミクスは作製がかなり難しく、Pbの添加がこの目的に有効であると言われてきた。しかし、Pb酸化物はPb単体を含めて、酸素比の違う化合物が数種類存在している。これらの添加する酸化物の種類について比較、検討した研究は殆ど無く、興味深い問題と言える。今回の研究より、Pbと酸素の比が試料の超伝導性に大きな影響を与えることが明らかになり、高品質導体作製への新しい知見が得られた。 (2)ピンニングセンターの導入のため、溶融法による超伝導体の作製を試みた。溶融法では作製時の温度コントロールを精密に行う必要があり、この観点からパーソナルコンピュータと温度コントローラを組み合わせたシステムを構築した。現在、システムの立ち上げの段階であり、新年度にこのシステムを利用した超伝導体の作製を計画している。 (3)Bi系酸化物超伝導体の表面に形成する電極の作製については金属蒸着後、400℃以上の温度で熱処理を行うことにより接触抵抗が大幅に低下することが観測された。この原因を明らかにするため、X線光電子分光(XPS)等により表面分析を行った結果、金属の内部拡散と構成元素のうちBiが表面に析出しているためと解った。この結果は電極の形成と安定化材としての金属層の形成に有効となることが期待できる。
|