研究分担者 |
近藤 高志 東京大学, 工学部, 助手 (60205557)
深津 晋 東京大学, 教養学部, 助教授 (60199164)
尾鍋 研太郎 東京大学, 工学部, 助教授 (50204227)
白木 靖寛 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
工藤 徹一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90205097)
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研究概要 |
本年度は,有機結晶の持つ高い潜在能力をフルに引き出して利用できる新しい素子構成を考察するとともに,広帯域化のための非周期構造の導入について検討を加えた。また,こうしたデバイスを有機結晶を用いて実現することを目標として,実現の素子作製に必要となる周辺技術の開発をおこなった。 1.新しい位相整合法に基づいた新規デバイスの提案 共振器内の定在波を利用した新しい擬似位相整合方式のSHG素子を提案し,その設計をおこなった。これは本来は半導体材料を対象に設計をおこなってきたものだが,有機結晶にもそのまま適用可能である。 2.ランダム周期構造の導入による広帯域化の検討 擬似位相整合方式の最大の弱点である安定性の問題を克服する手段として,シミュレーテド・アニーリングによって最適化した非等周期分極反転構造の導入による広帯域化の手法を新たに提案し,その有用性を実証した。上述の素子構成と組み合わせることで,極めて高性能な素子が実現できる。 3.有機結晶・有機高分子へテロ構造素子の作製 上記のデバイスを有機結晶を用いて実現するために微細加工技術と結晶成長法の検討をおこない,有機結晶(MNA)・有機高分子(ポリイミド)ヘテロ構造の作製に成功した。 以上の研究を通じて,高性能な波長変換素子を実現するための具体的な戦略を示すことができたと考えている。今後は,これらの研究成果に基づいて,実際に素子を作製しその特性評価をおこなっていく予定である。
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