研究課題/領域番号 |
04555017
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
高木 芳弘 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 教授 (80106161)
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研究分担者 |
足立 智 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 助手 (10221722)
嶽山 正二郎 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 助教授 (20163446)
高木 芳弘 姫路工業大学, 理学部・物質科学科, 教授 (80106161)
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キーワード | 非線形光電効果 / 超短パルスレーザー / 自己相関器 |
研究概要 |
2年計画の初年度で先ず非線形光電材料作成用に高真空蒸着装置を公付申請に従い購入した。また光照射用光源としてモード同期Nd:YAGレーザー装置を自作した。実験に必要な光電材料の作成が先決であるが、真空蒸着装置の納入が10月になったため、現在まだ研究計画の初年度が進行中である。これまでの経験からヨウ化セシウムの蒸着膜は容易に作成でき、これを用いて新しく紫外域での超短パルス光測定用自己相関器を組立てた。Nd:YAGレーザーの第3、第4、第5高調波(波長355、266、213nm)の単一パルスで入射光強度に対して2次依存性が光電子電流信号に観測され、期待通り相関波形も得られ、それぞれパルス幅36、12、10ピコ秒が得られた(発表予定)。これらのパルス幅はストリークカメラの測定結果との比較からパルス幅を正しく示していることがわかり、本測定装置の時間分解能がパルス光の幅にのみ依存していることが確かめられた。特に第5高調波では感度が高く、10nTの入射光エネルギーで十分であった。また新たな実験結果として、CsIの仕事関数に近い第5高調波を用いた場合でも2次依存性の方が直線依存性より強く現われ、第1光子によりほぼ真空電位まで電子が励起された過渡状態が第2光子によって真空中に放出される過程が示唆された。光電子が材料表面の近傍で過渡的な束縛状態を形成していることが期待できる。上記の測定には単一パルス光を用いたが、繰返し光パルス(76MHz)を用いて同様の測定を行ったが、予期した励起光度の2乗特性(非線形光電効果)が見出されなかった。この時、2光子光電効果の過程は確実に起きているはずであるが、繰返しが高いために光電子が電子増倍部で飽和し、忠実な応答をしていないためと考えられるので現在、検出部の構造の改善を進めている。次年度ではこれらの問題点をまず解決し、計画調書に従い、検出器の2次元化及びエネルギー分析機能の付加を行う。
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