研究課題/領域番号 |
04555018
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
下妻 光夫 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70041960)
|
研究分担者 |
大野 英男 北海道大学, 工学部, 助教授 (00152215)
田頭 博昭 北海道大学, 工学部, 教授 (10001174)
伊達 広行 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10197600)
|
キーワード | シリコン酸化膜 / 50HzプラズマCVD法 / TEOS / TEOS+O_2 / ドライプロセス / 低温プロセス / 層間絶縁膜 / 表面保護膜 |
研究概要 |
最近の集積回路は、線幅サブミクロンスケールまで微細化が進んでおり、この技術を支えているのは、プラズマCVDやプラズマエッチング等のドライプロセスである。この集積回路における多層配線層間絶縁や表面保護膜としてシリコン酸化膜が使われ、段被覆性の良好かTEOS(Tetraethoxysilane)が材料として高周波プラズマCVDなどによって成膜されることが一般的である。しかし、これは加熱プロセスであるため微細な回路への温度の影響が大きく、低温プロセスの開発が望まれている。本研究は、この低温プロセスを低周波(50Hz)プラズマCVD法で達成しようと試みるものである。今年度の研究成果は、以下である。(1)50HzプラズマCVD法でTEOS+0_2(混合化=1:30)を材料ガスとして膜堆積を行なった。Si基板上に堆積された膜質は、非加熱基板上では良好なシリコン酸化膜が得られず、基板加熱を要することが明かとなった。(2)基板加熱を100→200℃と上昇させると、抵抗率が10^<14>→10^<16>Ωcmまで変化し、絶縁破壊電界が10^6V/cmオーダと高い値に確保され、屈折率も1.5であった。(3)膜堆積率は、温度上昇と共に60→30nm/minとなり、緻密な膜に変化するものと考えられる。(4)IR吸収スペクトルから、温度上昇でSi-O結合が支配的になり、更に、オージェ電子分光スペクトルからSiとOのみの信号と、Cの混入が認められず、複数の実験結果から気相および膜表面でのCO、CO_2発生に起因することが考えられた。 以上の今年度の結果からTEOSとO_2で良質なシリコン酸化膜の成膜をするには、基板を200℃程度まで加熱する必要がある。しかし、200℃の加熱は、他の方法で成膜する温度に比べ十分低温であるため50HzプラズマCVD法の使用は、低温プロセスとして有効であると結論付けることができると考える。
|