研究課題/領域番号 |
04555021
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
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研究分担者 |
岸岡 清 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (50109881)
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キーワード | コンフォーカル顕微鏡 / コンフォーカル蛍光顕微鏡 / 3次元結像特性 / 3次元光学伝達関数 / 実時間コンフォーカル顕微鏡 / ニポー円盤 / 能動型3次元フィルタリング / 能動型画像処理 |
研究概要 |
我々はすでに落射型蛍光顕微鏡をベースにしてコンフォーカル系の特徴を活かしたモアレ蛍光顕微鏡法を提案している。本研究はこの研究成果を基に、通常光源が使用可能な「明るい」コンフォーカル光学系の実現とビデオレートに迫る実時間再生の達成を主たる目的としている。 この目的にそって、まずペトラーン型実時間コンフォーカル蛍光顕微鏡を対象として、従来のニポー円盤のピンホールマスクに代えてランダムパターンをマスクとして使用する方式の3次元結像特性の理論解析を試み、3次元光学伝達関数(3D-OTF)の定量的表現式を得た。この結果、系全体の3D-OTFは、励起光投影マスクと蛍光再生マスクの透過強度分布のクロススペクトルに励起光投影系の3D-OTFを乗算し、さらに蛍光結像系の3D-OTFの間でコンボリューションしたもので与えられる。ピンホールマスクに代えて平均透過率が0に近くないランダムマスクを使用する場合、クロススペクトル高域成分は強められ、明るいコンフォーカル結像成分が得られるが、一方クロススペクトル直流成分による通常結像成分がこれに重なるので、この除去が重要であることが理解できる。今年度購入した米国テクニカルインストルメント社製共焦点走査光学系は、顕微鏡鏡体と組み合わせ実時間コンフォーカル顕微鏡として使用可能なものであり、現在各種の観察対象を用いて無改造状態での3次元結像特性評価実験を行い、理論解析の結果と比較検討している。並行して通常結像成分の除去を実時間でおこなう能動型3次元フィルタリングの具体的適用を検討している段階である。 平成5年度の研究目標は、これらの知見に基づいて実証用システムを試作し、その3次元結像特性を求め、理論結果と比較検討することにある。さらに実用試料を用いた観察実験を積み重ねることで、本方式のコンフォーカル顕微鏡の実用性を評価する予定である。
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