研究課題/領域番号 |
04555025
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
幡中 憲治 山口大学, 工学部, 教授 (60026193)
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研究分担者 |
小菅 孝男 (株)日本電子テクニクス, 技術開発部, 部長
大木 順司 山口大学, 工学部, 助手 (80223965)
藤満 達朗 徳山高等工業専門学校, 機械電気工学科, 教授 (70035062)
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キーワード | 画像処理技術 / 座標格子法 / ひずみ計測 / き裂解析 / 疲労き裂成長機構 / 高温クリープ / 弾塑性破壊力学 |
研究概要 |
疲労き裂先端近傍およびステンレス鋼板に設けた円孔近傍に20〜30μm間隔の格子線をけがき、これにより先ず写真法によりそれぞれ一サイクル間のき裂先端近傍の局部ひずみの変動および結晶粒界近傍の局部クリープひずみを計測した。これより主として次の結果を得た。 (1)疲労き裂先端近傍において荷重軸(Y軸)に対して垂直な方向を基準とした角度θ〓±60゚の方向に沿い、垂直ひずみε_yおよびせん断ひずみγ_<rθ>の集中域が形成される。また、き裂先端部では引張行程において顕著な正の塑性変形が生じるため、続く圧縮行程の最終点(ヒステリシスループの圧縮側頂点)においても正のひずみが残留し、負のひずみはほとんど生じない。 (2)円孔近傍の三次元高温クリープひずみ解析を行なった結果、高温負荷時間の経過とともにひずみおよびひずみ速度の集中域が結晶粒界近傍に発達することがわかった。 以上、格子法により疲労き裂先端近傍及び高温クリープにおける局所変形を定量的に計測することが判明した。そこで、この計測過程に画像処理技術を導入することを検討し、次に示す結果を得た。 50μm間隔でけがいた5本X5本の格子線を有する試験片からアセチルセルロースフィルムレプリカを採取し、これにスパッタリングを施しSEM観察用試料とした。このSEM像を入力画像とし、コントラストを強調するためダイナミックレンジ(DR)拡大を行なった。次いで輝度むらを取り除くためシェーディング補正を施し、その後ソーベルフィルター処理を行なった。格子線部分が輝度値0、バックグランドが輝度値255の二値画像を得るため、輝度値254において二値化処理を行ない、ランクフィルターによりスパイクノイズを除去した。このような処理を繰返し完全な二値画像を得ることができた。 このように、画像処理技術を実際のき裂先端近傍の変形および高温クリープ変形の計測に応用できる見通しを得た。
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