研究課題
試作した衝突試験機の概略は、アングル部材を用いた四本の柱と水平部材および斜材により組み立てられた鋼製フレーム、エア・ガン、トリガー用エア・シリンダ、クロス・ヘッドおよびこれを加速するためのポリエチレン樹脂製の円柱状弾丸、ガイド、ロード・セル、ベース、防振ゴムなどから構成されている。エア・ガンは、加速円胞がエア・チャンバーの内部に挿入された構造である。トリガー・システムは、エア・シリンダにより駆動されたピストンが上下に働き、加速円筒への空気弁の開閉を行う方式である。クロス・ヘッドは、二層構造であり、軟鋼製である。このクロス・ヘッドは、エア・ガンの加速円筒に挿入された弾丸を介して下向きに加速される。なお、エア・ガンによる発射までのクロス・ヘッドの保持には、電磁石が用いられている。ガイドは四本の軟鋼製丸棒で構成され、鋼製のベースに固定されている。ロード・セルは本研究のために特別に設計を行ったものであり、軟鋼製で丸棒部分の中央にひずみゲージが2枚張り付けられており、これを直流ブリッジ回路に組み込み、その出力から荷重を求める方式である。部材の潰れ変形は、クロス・ヘッドに取り付けられたマーカーの動きを非接触の光学式変位計によりとらえる方式で測定した。衝突速度は、クロス・ヘッドに取り付けられたバリアがレーザ光線を遮断する時間を、カウンターにより計測して求めた。この衝突試験システムを用いて、アルミニウムおよび炭素繊維強化樹脂(CFRP)製の薄肉円筒の圧潰試験を行い、エネルギー吸収特性に及ぼす円筒形状・潰れモード・材質などの影響を調べるとともに、静的試験から得られる結果との関係について考察を行った。その結果、静的圧潰と衝撃圧潰との差の原因は材料特性の問題だけでないこと、FRPはエネルギー吸収部材として優れた材料となる可能性の高いことなどが明らかになった。
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