研究分担者 |
石毛 忠志 (株)栗本鉄工所, 住吉工場, 部長
祖山 均 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (90211995)
佐藤 恵一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50113030)
伊藤 幸雄 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (70006196)
井小萩 利明 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (90091652)
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研究概要 |
極限環境下で安全に作動する高信頼性バルブの試作を目的として,従来使用されているバタフライ弁,仕切弁,ホロージェットバルブを取り上げ,モデルを用いた流れパターンの観察,実機損傷量の測定などを行った。特に構造が簡単で,流量制御特性が良好であることから,最も使用頻度が高いバタフライ弁を取り上げて,実機の十分の一模型のバタフライ弁まわりの流れパターンを観察し,キャビテーション壊食に係わるキャビテーション衝撃圧を感圧紙により定量的に測定するとともに,ハイドロホンによりキャビテーションノイズを詳細に測定し,以下のことを明らかにした。 1.バタフライ弁まわりの流れを最高記録速度40,500コマ/秒のハイスピードビデオカメラにより詳細に観察した結果,弁体下流管路壁面に生ずるキャビテーション壊食は,弁体まわりの局所的に高速となる流れ場と弁体による逆流域との強いせん断流れに深く起因しており,弁体まわりに生じた渦キャビテーションがこのせん断領域で発達し,また,逆流域で多数の渦キャビテーションが合体することにより,高壊食性渦キャビテーションへ発達することを明らかにした。 2.上記の強いせん断流れを抑制するために,バタフライ弁に突起物を設けて,流れを乱すことにより局所的高速流領域を拡散し流速を低下させると,壊食性が減少する可能性を,感圧紙によるキャビテーション衝撃圧の測定,および,ハイドロホンによるキャビテーションノイズにより明らかにした。3.弁座の交換が容易な偏心形弁において,流れに対する弁体の取付方向が弁体凸部を上流側にする場合と平板部を上流側にする場合の二通りが考えられるが、流量係数は弁体の取付方向によらないことを明らかにした。
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