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1992 年度 実績報告書

分子動力学法を用いた気体分子-表面間相互作用の動的解析システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 04555042
研究機関東京大学

研究代表者

松本 洋一郎  東京大学, 工学部, 教授 (60111473)

研究分担者 池川 正人  日本製作所, 機械研究所, 研究員
市川 保正  東京大学, 工学部, 助手 (40134473)
川田 達雄  東京大学, 工学部, 助手 (00010851)
正畠 宏裕  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60132726)
小竹 進  東京大学, 工学部, 教授 (30013642)
キーワード希薄気体 / 固体-気体境界 / 分子動力学 / 吸着確率 / 散乱角度分布
研究概要

分子動力学法を用いて固体結晶分子と気体分子の運動をシミュレートするための専用の計算機システムを、通常のパーソナルコンピュータと演算アクセラレータ・ボードにより構成した。同じ計算条件に対して異なる初期状態を与えて2台の計算機で独立に行い、最後に結果をまとめて解析を行うことで、トータルで大型計算機に匹敵する計算速度を得ることができた。
まず実験との比較を考えて、固体壁面を構成する分子としてプラチナPtを選び、これにキセノンXeを衝突させるシミュレーションを行った。初期捕獲確率が実験値とほぼ合致することを確かめた後、散乱角度分布、エネルギの伝達、平均速度及び速度分布等について調べた。特に気体分子と固体分子群とのエネルギーの交換に重点をおいて解析し、以下のような結果を得た。まず1回の衝突において気体分子のエネルギの変化は、気体分子の運動エネルギが極大となる2時刻により3つのステージに分類できる。最初のステージで気体分子は位置エネルギを失うかわりに運動エネルギを得るが、その値は入射エネルギや入射角度には依らず一定である。気体分子が失うエネルギは最初のステージの最後に気体分子が持っていた運動エネルギと入射角度に依存し、特に入射角度依存性については広い範囲で成立する実験式を見いだした。さらに、衝突直後の気体分子の速度分布は非常に歪んだ形をしており、入射前の接線方向速度成分に強く依存して変化している。ただ、衝突直後の法線方向、接線方向速度の自乗の相関は-1に近く、エネルギーがほぼ一定のものが法線方向と接線方向へ振り分けられた形になっていることを明かにした。
以上の結果をふまえて、広い範囲の入射エネルギと入射角度について分子動力学シミュレーションの結果とほぼ一致する速度分布を導出できる、比較的簡単なモデルを構築した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 松本 洋一郎,他2名: "分子動力学法による気体-表面散乱の解析(第1報,Lennard-Jones分子系によるシミュレーション)" 日本機械学会論文集. 58-551B. 2064-2051 (1992)

  • [文献書誌] 松井 純,他2名: "分子動力学法による気体-表面散乱の解析(第2報、Xe-Pt(iii)系における動的挙動)" 日本機械学会論文集. 58-553B. 2744-2749 (1192)

  • [文献書誌] 松井 純,他1名: "清浄表面における気体分子の散乱" 日本機械学会流体工学部門講演会講演論文集. 920-68. 33-35 (1992)

  • [文献書誌] 302-304 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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