研究課題/領域番号 |
04555046
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
柏木 孝夫 東京農工大学, 工学部, 教授 (10092545)
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研究分担者 |
加藤 豊文 東京農工大学, 工学部, 助教授 (70015056)
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キーワード | 吸着式熱交換システム / シリカゲル / 水系 / 吸着剤粒径 / 充填層高さ / ヒートポンプ / サイクルシミュレーション / COP |
研究概要 |
吸着式熱交換システムの熱工学的解明 (イ)シリカゲル/水系吸着システムの構成要素の一つである吸着剤熱交換部に着目し、吸着式熱交換器の簡易モデルを作成し、吸着剤粒径および熱交換器形状の二つの観点から、そこでの吸着メカニズムを実験的に調べ、また、数値解析により理論的に調べた。その結果、、熱交換器内で生ずる吸着特性は、使用する吸着剤粒径や充填層高さにより明らかに変化を起こし、吸着を効率的に行わせるためのパラメータの確認ができた。またその特性は、吸着剤充填層に対する伝熱により説明でき、吸着メカニズムの把握ができた。更に、フィンを取り付けることによる吸着促進化も確認した。次に、脱着過程における熱・物質伝達現象を実験的に調査し、現在、理論解析に着手したところである。 (ロ)単段型、三段型およびトライアングル型の三種類のシリカゲル/水系吸着式冷凍機をモデル化することによりサイクルシミュレーションを行い、単段型は商用機、三段型は実験機でそれぞれ得た温度特性との比較によりモデルの妥当性を確認した後以下の結論を得た。1)COPを考慮すると単段型、熱源温度の低温度化を考慮すると三段型、冷熱の安定化を考慮するとトライアングル型が最も適している。2)吸着式冷凍機のCOPと平均冷房能力においては、冷却水・温水温度の設定が重要であり、使用目的に応じた最適温度が存在する。3)サイクル時間は長くなるほどCOPが向上するが、冷凍能力は時間とともに減少する。したがって使用目的に応じた最適なサイクル時間が存在する。 吸着ヒートポンプの開発 高性能の3段吸着方式熱交換器を利用したヒートポンプを設計試作し、低温での有効性を試験中である。現在までに、1)三段型吸着式ヒートポンプは従来の単段型より低熱源で駆動できる。また、温水50℃、冷却水30℃、冷水12℃の入口温度で、平均7℃の冷水を得ることができそのときのCOPは約0.13、冷熱亮は1.11kwである、2)COPおよび冷凍能力において、冷却水、温水、ならびに流量の設定が重要である、ことを明らかにした。
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