研究概要 |
マイクロホールノズルによって噴射を行わせるための高圧燃料噴射ポンプの試作・試験を行った.噴射ベンチ試験ではスプール径の拡大と噴射管である縮小管の長さの適正化によって最高1500気圧の噴射を実施することができた.さらに,この噴射ポンプを使用して高圧噴射を行う際に適正な噴射ノズルオリフィス径を定めるための理論を構築した.これによって,噴射圧を増しさらにオリフィス径を小さくするほど噴霧内部の混合気は希薄化および均一化することが明らかになり,マイクロホールノズルによる予混合希薄燃焼の実現の見込みが得られた.(池上詢) レーザ加工により4xφ0.06mm+φ4x0.10mmの噴口を有するマイクロホールノズルを製作し,ボア100mm,ストローク92mm,圧縮比15の直接噴射方式燃焼室をもつ急速圧縮膨張装置を用いて予備実験を行った.圧縮始め温度を200℃と設定したため,着火遅れが0.15〜0.2mmと短くなり拡散燃焼主体の燃焼となった.NOは400〜500ppm,火炎濃度はφ<0.7でボッシュで2以下であり,最終年度の希薄燃焼実現の見込みがたった.(神本,河村) 単気筒直接噴射式ディーゼル機関を供試機関として,ダイルーショントンネルによる微粒子状排出物の計測,指圧線図による熱力学的解析を行った.今後,マイクロホールノズルを装着した予混合式燃焼を指向した試作機関の燃焼室形状について検討,設計を行った.今後マイクロホールノズル機関を対象として,排出ガス特性(NOx,PM,CO,THC),燃焼性を明らかにし,予混合化の効果について検証する.マイクロホールノズルによる実現される予混合型燃焼の機構を明らかにすることを目的として,ディーゼル機関の燃焼室のラジカル発光像の計測装置の開発と同装置による燃焼診断の可能性について検討した.(飯田)
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