研究課題/領域番号 |
04555055
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井上 博允 東京大学, 工学部, 教授 (50111464)
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研究分担者 |
立川 哲也 シャープ(株), 技術本部, 研究員
稲葉 雅幸 東京大学, 工学部, 助教授 (50184726)
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キーワード | ロボットビジョン / 実時間視覚システム / 局所相関演算チップ / 追跡型視覚 / オプチカルフロ-演算 / 距離マップ |
研究概要 |
本研究では局所領域の相関度演算を高速に実行する専用チップを用いることにより、動き情報と奥行き情報を実時間で処理し、かつ、動作制御システムと密な結合が可能な、実現実時間の三次元ロボット視覚を開発するものであり、本年度の研究成果は次のように要約される。 (1)視覚システム基本ユニットボ-ドの設計及び製作:本視覚システムにおける基本演算は、ある局所的画像と相関の高い部分画像がどこに存在するか、また、その時の相関度の分布はどうなっているかという処理である。この局所的相関度演算に基づく方法は、原理的にはよく知られた方法であるが、計算量が膨大なためこれまで実用的でないと考えられてきた。本研究では、相関演算を高速に実行する専用チップとしてSGSトムソン社のMEP(Motion Estimation Processor)をトランスピュ-タと組み合わせて用いることにより、マルチプロセッサ向きの高性能視覚ユニットを設計・製作した。 (2)実時間物体追跡実験:相関演算に基づく物体追跡は、サイズの変化及び回転に対して弱いという欠点があった。本研究では、参照画像を回転変換した局所画像群を前もって生成しておき、追跡の評価値をもとに参照画像候補を探索しながら追跡することによって、並進、回転、拡大縮小に対してもロバストな追跡手法を開発した。 (3)双眼立体視原理に基づく奥行き情報マップの作成:左右両眼の画像間で相関演算を行い対応点を求め、三角測量の原理により、奥行き情報マップを高速に生成する実験を行った。この方法は並列処理向きで高速化可能であり、実時間演算も十分可能であることを示した。
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