研究概要 |
自動組立において,組立動作を繰り返すたびに製造誤差である部品寸法のばらつきや部品相互の位置上の誤差などに起因して,組立がうまくいかないことがしばしば生じる.いわゆるチョコ停が起きる.PM等によってこのチョコ停をなくすための限りない努力が払われているが,自動組立においてこのチョコ停を0にすることは至難のことである.本研究の目的は,製品設計の段階で「後工程修可能性評価法」という全く新しい概念を導入して製品設計を戦略的に行い,さらに製品設計と同期して製造システム設計を行う事により,組立に失敗してもそのままその後の組立を続行できて、後の修理工程で修理が行える技術の体系を構築する事にある. この目的のためには,次の二つ: ・万一,組立失敗が発生しても,できるだけ組立ライン全体が停止しないような仕組みを作り上げること. ・組立に失敗したワークに対しても,できるだけその後の組立が続行できるような仕組みを作り上げること. についての配慮が肝要であるとの認識から研究を行った. 本年度に得られた主な成果は次の通りである. 1.組立失敗確率と後工程修理可能性とを結びつける評価関数として直行率が適切である. 2.直行率は,各作業の組立失敗確率以外に,組立シーケンス並びに修理工程の位置に依存する. 3.直行率を最大にするための,組立シーケンスの設立法と修理工程の位置の決定法を展開した. 4.発生した不良ワークをラインから排除する効果は,平均無停止時間を評価関数にとることによって,適切にとらえられる.
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