本研究ではマイクロマシニングによりSiO_2の超小形の片持ち梁を製作し、これを液体中で半導体レーザを用いた光熱効果により振動させる。片持ち梁の共振周波数は液体の密度によって変化するので、振動を別のレーザを用いて光学的に検出し、共振周波数によって密度を決定する。 平成5年度までの基礎的な研究により、密度および粘度を本手法により光学式に測定できることが明らかになり、理論的にも検証されたので、最終年度は実用的な観点にたって以下のような研究を行った。 1.マイクロマシニングにより製作された超小型の片持ち梁振動子を用い、液体の密度を測定した。理論値との一致はよいものの、超小型の振動子に赤外レーザ光を液体中で照射することはかなり困難であり、実用的な観点からは問題が残った。 2.光ファイバーを用いたシステムについて検討し、ファイバーの先端そのものを加工し、超小型の片持ち梁を製作することによって、光学的結合の簡素化・効率化をはかった。実験を行った結果かなり実用的なシステムであることが判明した。 本システムは液体の密度計だけではなく、液体の粘度計、気体の圧力計、および温度計としても対応できるものと考えられる。 振動の検出もファイバーを用いてできる光学系を構築できれば、血管用カテーテルなどにも使用できるものと思われる。
|