研究概要 |
ティザー整流回路と称する高入力力率の整流回路を提唱しその実用化を目指した開発研究である。ここで得られた成果を以下に示す。 1.2石の高周波インバータにティザー整流回路を使用した15V,20Aの直流電源は最大効率88%、最大力率99%以上が得られた。効率の目標はインバータ部で90%以上であったが、50KHzの電力の正確な測定が不可能なので整流回路も含め測定したため、93%以上の効率が得られているものと予測される。 2.1石の回路5V,10Aの直流電源で同様な手法で行なったが効率は78.5%だった。整流回路の損失を考慮すれば目標のインバータ効率85%以上の効率となる。 3.本計画の80W(2石)インバータ螢光灯の代りに32W(1石)のものを開発した。その結果、力率99.1%(市販品:64%)、照度279Lx(市販品:287Lx)で発光効率が少し悪いが共振形を使用したので放射ノイズの少ない高性能のものが得られた。 4.1石を5V,50W(計画:100W)の直流安定化電源を開発した。この電源の投入時の突入電流2倍以内(市販品10倍以上)、99%以上の入力力率を有するものができた。 5.高調波成分、力率、効率、突入電流すべてに対して、従来の方式に勝っており、来る高調波規制に充分対処できることが示された。 6.1石(50W),2石(300W)の実用化については、(株)ネミックラムダ、新電元(株)、(株)TDKが実用試験に入っており、他の電源メーカも検討中である。インバータ螢光灯については72W、32Wのものについて(株)松下電工が実用化試験に入りつつある。以上のようにティザーと言う語が国内外一般的となり、500W以下の高周波電源を有する整流回路に有効であることが示されている。
|