研究概要 |
平成4年度はUHF波帯干渉計システムの製作に力点をおいて研究活動を進めた。システムは6本の1/4波長モノポールアンテナで構成されるアンテナ系(アンテナ間隔はそれぞれ1/2波長及び5/2波長)と,それらの2本ずつの出力を一組として受信する四組の干渉計(受信周波327MHz.帯域幅350KHz)とにより構成されている。干渉計動作の詳細は省略するが,その出力は2本のアンテナに到来する電波の位相差の正弦及び余弦であり,従って2本を対とするアンテナに対する電波の到来方向が決定できる。即ちUHFの放射位置は,基準とするアンテナを頂点に持つ,円錐の低面の円周で表ている。さらに前述の様に本システムでは,この干渉計が四組用意されているので,上述の円が四つ求まる事になり,これらの円の交点として,アンテナ系に対する放電位置の仰角(Elevation),及び方位(Azimuth)が高い精度で求められる。なお本システムでは,放電位置を1マイクロ秒の時間分解で求めるようにしているので,雷放電の進展が可視化できる事になる。システムを製作する一方,冬季雷観測を実施してシステムの性能評価をはかるとともに,数値シミュレーションを実施し,製作したシステムの検証を行ったことを付記しておく。
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