研究課題/領域番号 |
04555069
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 勝美 大阪大学, 工学部, 教授 (70029205)
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研究分担者 |
河合 壯 大阪大学, 工学部, 助手 (40221197)
尾崎 雅則 大阪大学, 工学部, 助手 (50204186)
大森 裕 大阪大学, 工学部, 助教授 (50223970)
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キーワード | 導電性高分子 / ポリ(3-アルキルチオフェン) / ゲル / アクチュエーター / バイモルフ / タフトパラメータ / ドーピング / ポリピロール |
研究概要 |
共役系高導電性高分子ゲルとアクチュエーター等への応用に関し、まず、導電性高分子ゲルの作製と基礎物性を明らかにした。次に、実際にバイモルフを作製し基本的な駆動方法について検討し、その可能性を確かめた。以下にその要約を記す。 1、ポリ(3-アルキルチオフェン)フィルムにγ線照射及びBPO処理、電解重合法の3つの方法でゲルフィルム作製条件を明らかにした。2、ポリ(3-アルキルチオフェン)ゲルフィルムは溶媒、温度変化によってその体積を変化するが、その速さはゲルの寸法に依存し、溶媒のゲル内への侵透と、高分子の溶媒中での拡散の2段階に律速されていることを見い出した。小さいサイズのものほど応答は速い。3、ポリ(3-アルキルチオフェン)ゲルの体積変化の速さは溶媒の種類に依存し、特に、タフトのπ^*パラメーターの大きなものほど速いことが明らかとなった。これは溶媒と高分子主鎖共役系との直接的な電子的相互作用の存在を示すものである。4、ポリ(3-アルキルチオフェン)ゲルの体積変化時のX線回折の変化から、ゲルの変化は分子間距離の変化を反映していることを明らかにした。5、ポリ(3-アルキルチオフェン)ゲルはドーピングにより大きく収縮し、同時に導電率は十桁以上も上昇する。これはスイッチング素子の可能性を示すものである。6、非ゲル導電性高分子としてのポリピロールフィルム上へ、ポリ(3-アルキルチオフェン)ゲルフィルムを作製しバイモルフを試作した。これにより電気化学的ドーピング、脱ドーピングによってバイモルフの屈曲を制御できることを確認し、最適溶媒組成、駆動条件を見い出した。
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