研究課題/領域番号 |
04555070
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 猛 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80153617)
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研究分担者 |
橋口 正一 住友セメント, 中央研究所, 研究員
藤井 龍彦 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40238530)
作田 健 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (70221273)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 薄膜光学材料 / 光変調器 / エピタクシ |
研究概要 |
本研究は、酸化物高温超伝導体の特徴を生かした極限高速動作素子の試作研究に関するものである。具体的な素子として特に光変調器を目的としている。この素子実現の鍵は、伝送線路となる超伝導体の高品質薄膜作製技術にかかっている。そのためには高温超伝導体YBaCuOのエピタキシャル成長を電気光学基板上に実現させることが必須である。この積層薄膜構造の実現が困難であり、酸化物高温超伝導体の素子応用の実現を拒んできた。 本研究によって、電気光学基板としてYカットLiNbO_3を使用し、この基板上にバッファ層として使用可能なYSZをエピタキシャル成長させることを可能とした。さらに、このYSZ上にYBCOをエピタキシャル成長を実現させることができた。これは世界で初めての成果であった。これにより、全エピタクシャル形デバイスの実現の基盤技術が確立した。この要素技術をもとにマッハツェンダー位相変調方式の光変調器を組み上げて、その低温基礎特性の測定・評価を行った。200GHzまでの高周波特性とパルス光変調の実測を行い、現状試作デバイスの諸問題の抽出を行った。 一方で、エピタクシャル成長技術のさらなる進展を見た。レーザー成膜の泣き所であったドロップレット発生の解決である。レーザー成膜におけるドロップレットの発生はレーザー成長技術に限界をもたらすかと、危惧されてた。本研究で開発したエクリプス法は、非常に簡便な方法ながら、このドロップレットの発生を劇的に押さえることができた。これによって、レーザー成長による酸化物薄膜の品質がさらに向上し、試作変調器の進行波電極となる高温超伝導体薄膜の臨界温度は実に93Kにも達した。
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