研究課題/領域番号 |
04555071
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
廣瀬 全孝 広島大学, 工学部, 教授 (10034406)
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研究分担者 |
小谷 秀夫 三菱電機(株), 三菱LSI研究所開発第二部, グループマネージャー
林 俊雄 日本真空技術(株), Eプロジェクト, プロジェクトリーダー
宮崎 誠一 広島大学, 工学部, 助教授 (70190759)
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キーワード | プラズマCVD / シリコン酸化膜 / シリコン薄膜 / 全反射赤外吸収分光 / その場観察 |
研究概要 |
これまでに、SiH_4+O_2混合ガスのプラズマCVDによるシリコン酸化膜の形成において、膜成長表面上における熱的反応及びイオン照射を大きく抑制することによって、サブミクロン以下の極微細孔や溝にシリコン酸化膜を埋め込み、平坦化可能であることを見い出してきた。この表面流動性に富んだ膜堆積(高流動性プラズマCVD)を利用して、新しい多層配線用層間絶縁膜形成法を開発・確立することを目的とした。本年度は、高流動性プラズマCVDにおける表面反応メカニズム解明の糸口を得るために、全反射赤外吸収分光法(FT-IR-ATR)を用いて膜堆積過程を直接観察した。具体的には、堆積温度を200℃から-95℃の広い範囲で変化させ、SiH_4プラズマからATR測定用Si結晶上にシリコン薄膜を堆積し、膜堆積時の水素結合状態の変化をその場観察した。堆積温度200℃の成長表面では、膜中(SiH結合が支配的)とは異なり、SiH_2結合が主として観測された。室温で膜堆積すると、成長初期にはSiH_3結合が支配的で、膜堆積とともに3次元Siネットワーク形成が進行して、SiH_2及びSiH結合が観測されるようになる。このネットワーク形成反応は、膜堆積温度の低下によって急速に抑制され、高流動性膜堆積の実現される基板温度-95℃の膜堆積では、SiH_2及びSiH結合はほとんど観測されず、前駆体の表面重合反応の進行を反映して、膜成長に伴って(SiH_2)_n及びSiH_3結合が増加することが直接観測された。さらに今後、膜成長表面へのイオン照射が与える影響や、酸化膜堆積についても、同様に表面反応生成物の直接観察を行う必要がある。
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