研究分担者 |
小池 誠彦 日本電気C&Cシステム研究所コンピュータシステム, 研究部長
前田 明 東芝情報処理, 機器技術研究所・開発第一部, 部長
米澤 明憲 東京大学, 理学部, 教授 (00133116)
吉永 努 宇都宮大学, 工学部, 助手 (60210738)
熊谷 毅 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90125815)
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研究概要 |
高並列オブジェクト指向計算機の試作に向けて,以下のことを行った。 1.実用化のための並列オブジェクト指向言語の改訂:実行モデルの再検討を行い,各オブジェクトの自律的な動作が記述できるように実行順序制御機構を言語仕様に加えるなどの改訂を行った。 2.言語仕様に沿った処理系の改訂:新たに導入した実行順序制御などについてスケジューリング解析を行えるようにコンパイラを改訂した。また,OSのオーバヘッド軽減を目的として,従来実行時に判断していたメッセージの待ち合わせ制御についてもコンパイル時に決定できるようにした。 3.高並列計算機の要素プロセッサの改訂:並列プログラムのシミュレーション結果に基づき、ハードウェア設計の改訂を行った。特に,ネットワーク負荷を軽減するため,あらかじめクラスはすべてのノードに割り付けるものとし,実行時のノード間でのコード転送を不要にした。 4.論理設計および実装設計:改訂後の要素プロセッサの論理設計を行った。要素プロセッサ当たり2枚の基板を必要とし,現在,実装設計を行っている段階である。 5.ホスト上の支援ソフトウェアの拡充:ホスト計算機として購入したUNIXワークステーション上に,専用の統合プログラミング環境を構築した。この環境からは,プログラムの編集,コンパイル,ターゲットマシンのネットワークトポロジとノード数の指定,アロケーション,実行などを統合的に行える。また,イベント履歴に基づくプログラム実行のリプレイなどをサポートした並列デバッガを現在構築している。
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