研究分担者 |
濱口 清治 京都大学, 工学部, 助手 (80238055)
村上 和彰 九州大学, 大学院総合理工学研究科, 講師 (10200263)
佐藤 政生 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (30170781)
小野寺 秀俊 京都大学, 工学部, 助教授 (80160927)
山崎 勝弘 立命館大学, 理工学部, 助教授 (70134260)
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研究概要 |
本研究では,集積回路技術を利用した計算機工学実験の重要性を認識し,その実現手法を確立することを目指している。平成4年度は,教育用マイクロプロセッサのプロトタイプ版を試作し,次年度の学生による設計試作実験の試行のための準備を行なった。 1)基本アーキテクチャの検討:教育的な観点として実現可能性を考慮して教育用32ビットマイクロプロセッサのアーキテクチャ,命令セットを決定した。 2)プロトタイプ版の試作:1)で検討したアーキテクチャに対し,論理設計,レイアウト設計を行ない,スタンダードセル方式のCMOSプロセスで試作を行なった。 3)設計環境の整備:広く普及しているパーソナル計算機やワークステーション上で市販のソフトウェアと公開されているソフトウェアを中心に,操作性のよい設計環境を整備している。 4)製造メーカーとのインターフェースの確立:試作を依頼できる半導体メーカー(複数)との間で,設計データーのインターフェースや双方の責任範囲の明確化を行なうための交渉を行なった。今後のプロセス技術の進歩やメーカーの変更にできるだけ依存しないよう,プロセス独立なインターフェースを確立に向けて努力した。 5)実験の普及:量産されたKUE-CHIP2ボードを購入し,各大学で新しい実験カリキュラムを作成して試験的に実施した。実験を経験した学生数は本年度だけで延べ500名を越えた。 6)ドキュメントや設計情報の公開:KUE-CHIP2のドキュメントや設計情報を改訂し,充実させてCAD用ベンチマークデータとして公開した。 7)パネル討論会の開催:VLSIシステムの設計の教育をテーマとしたパネル討論会を開催した。 以上のように,計算機工学・集積回路工学教育研究用マイクロプロセッサを試作すると共に,新しい計算機工学・集積回路工学実験カリキュラムの充実を図ることに成功した。
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