研究課題/領域番号 |
04555081
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 工学部, 教授 (00005365)
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研究分担者 |
若月 昇 富士通(株), 電子デバイス事業本部, 部長
山田 顕 東北大学, 工学部, 助教授 (80134021)
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キーワード | トランス / 圧電トランス / ラーメモード / ニオブ酸リチウム / 圧電振動子 / 圧電単結晶振動子 |
研究概要 |
本研究の目的は、ニオブ酸リチウム圧電単結晶板を用いたトランスについて、最適切断方位の探索、最適な振動モードと振動子・電極形状の選定、動作解析と設計法の確立、大振幅動作特性の評価、駆動回路方式と支持方法の検討などを行って、小形・高安定で昇圧比が格段に大きな圧電単結晶トランスを開発することにある。本年度に得られた成果、知見を以下に要約する。 1.入力部横効果・出力部縦効果利用の圧電トランスにおいて、出力電極を付ける面の極性によって放電開始電圧が異なる現象について調べ、その理由の定性的説明を与えるとともに、放電が起こりにくい電極構成を明らかにした。2.負荷抵抗が大きい場合にも大きな出力電圧が得られるトランスとして、入出力部ともに圧電横効果を用いたトランスを提案し、試作により1300の大きな昇圧比が得られることを明らかにした。3.辺比が整数比のLiNbO_3154.8゚回転Y板に、四隅が振動の節となるラーメモードが存在し、圧電的に強く励振可能なことを理論と実験により明らかにした。4.ラーメモードを用いた圧電トランスを試作し、四隅を支持固定しても10000を越すQと700程度の昇圧比が得られることを示した。5.トランスの大振幅特性を調べ、長さ10mmの小形トランスで、数Wのパワーでも容量比、Q値、昇圧比の劣化がなく、温度上昇も少ないことが示された。また、結晶中の不純物イオンと絶縁耐圧の間には明確な相関がないことがわかった。6.高出力電圧での放電を防止するために、SiO_2誘電体膜を付けることを検討し、耐圧が向上することが確かめられた。7.ラーメモード動作トランスについてパッケージおよび支持法を検討し、10×5×0.5mm^3の小形素子でもパソコン液晶表示用蛍光管の電源として十分動作することを実証した。
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