研究課題/領域番号 |
04555095
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
江端 正直 熊本大学, 工学部, 教授 (40005319)
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研究分担者 |
興野 登 三菱電機(株), 電子商品開発研究所, マネージャー
西村 強 熊本工業大学, 工学部, 講師 (90156109)
渡辺 亮 熊本大学, 工学部, 教授 (50040382)
宇佐川 毅 熊本大学, 工学部, 助教授 (30160229)
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キーワード | MFBスピーカ / アクティブ制御システム / 低公害ディゼルエンジン / 排気騒音制御 / 適応ディジタルフィルタ / 並列型ディジタルフィルタ |
研究概要 |
ディゼルエンジンの排気騒音の対策には、従来騒音の発生を直接抑制するエンジンの改良や騒音源であるエンジンを遮音材で取り囲むことによる対策が主であった。しかし、低周波大パワーの騒音源に対しては、現在用いられているマフラーは形ばかり大きく効果は小さい。また、排気管の内部抵抗を消音に利用しているため、燃焼効率の悪化をもたらている。本研究の排気騒音のアクティブ制御システムは、排気管壁面に付加音源を取付け排気騒音を消音するものであり、排気管内には空気抵抗を増加させる構造はなく、燃焼効率の向上も期待できる。本年度は、目的とするアクティブ制御の実現を裏付けるための各要素技術の確立を目指した研究を行った。具体的には、まず制御目標および耐環境性と安定性に関する設計目標を決定するため、制御対象であるディゼルエンジンの排気系調査した。現在排気の温度分布、流速分布の基礎データを整理中であり、その実験的な解析を進めている。このデータを基に、制御用MFBスピーカの仕様を検討した。その結果、現在のスピーカ製造技術で摂氏200度および250度の耐熱性をもつスピーカーが試作可能であることが明らかになった。これらの結果を踏まえ、コンピュータシミュレーションおよびモデル実験により、MFBシステムによるアクティブ制御系の動作条件について検討を進めている。その際、ディジタルフィルタのもつ群遅延が、制御系の特性に大きな影響を与えることが確かめられた。このため、群遅延を低減するための新たなディジタルフィルタの構成である並列型フィルタを提案するとともにこのフィルタの諸特性をシミュレーションにより解析し、アクティブ制御の制御用フィルタとして有用であることが確められた。
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