研究課題/領域番号 |
04555095
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
江端 正直 熊本大学, 工学部, 教授 (40005319)
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研究分担者 |
興野 登 三菱電機(株), エンジニアリングAVシステム部, 開発担当課長
西村 強 熊本工業大学, 工学部, 講師 (90156109)
渡辺 亮 熊本大学, 工学部, 教授 (50040382)
宇佐川 毅 熊本大学, 工学部, 助教授 (30160229)
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キーワード | MFBスピーカ / アクティブ制御システム / 低公害ディゼルエンジン / 排気騒音制御 / DXHSアルゴリズム / 適応ディジタルフィルタ |
研究概要 |
アクティブ制御を実用化する際、従来問題となっていた 制御信号抽出用のマイクロホンが、本研究で提案するMFBタイプ・アクティブ制御システムでは不用である。本研究では、この制御システムを実用化する上で必要不可欠な制御性能、特に制御量、安定性について、コンピュータシミュレーションおよびディーゼルエンジンを用いた実験において検討を行った。 まず、汎用ディジタルフィルタを使用し、モデル実験を中心に制御システムの動作確認を行なった。従来から使用されている適応アルゴリズム(NLMSアルゴリズム)では、3dB程度の抑制しか得られなかったため、新しい適応アルゴリズムについて検討を進めた。まず、信号の周期性を利用したSFXアルゴリズムを、本研究のMFBアクティブ制御システムに応用した。その結果、5dBの抑制量が得られた。しかしながら、このSFXアルゴリズムは、収束速度が遅く、実用化する際問題を生じる可能性があると考えられた。このため、ディイゼルエンジン排気音が回転速度を基本波として、その高調波成分が卓越していることに注目し、特定周波数の信号を適応的に生成する新しいアルゴリズムDXHS(Delayed-X Harmonics Synthesizer)アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは、従来のSFXアルゴリズムの10倍から20倍の収束速度をもっている。計算機シミュレーションでは、単一正弦波の制御の場合、約50msで70dBの抑制量が得られている。また、ディーゼルエンジンを用いた制御実験を行い、MFBシステムをDXHSアルゴリズムで制御した場合、基本波成分の制御で約20dB、基本波および第一高調波の制御では各々15dB程度の抑制量が得られている。
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