研究課題/領域番号 |
04555100
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
矢尾 哲也 広島大学, 工学部, 教授 (20029284)
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研究分担者 |
宮川 佳夫 広島大学, 工学部, 助手 (50229803)
藤久保 昌彦 広島大学, 工学部, 助教授 (30156848)
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キーワード | 構造非線形問題 / 弾塑性 / 感度解析 / 再解析 / テーラー級数展開法 / 荷重倍率係数 / 感度 / 最適化 |
研究概要 |
本年度はまず、有限要素法を適用して増分型の弾塑性解析を行うに際して、部材寸法や材料定数等の種々の設計変数に関する弾塑性応答の感度を求めるための定式化を行った。 具体的には、棒要素、梁要素および三角形板要素を対象とした。まず、棒要素に関しては、断面積および長さを設計変数に選び、これらに関する節点変位の1次、2次および3次感度を求めるための定式化を行った。また、梁要素に関しては、断面積および材料の降伏応力を設計変数とし、これらに関する節点変位の1次感度の定式化を行った。さらに、板要素に関しては、要素形状および板厚に関する1次および2次感度の定式化を行った。これらの定式化に際しては、各要素が降伏条件を正しく満足しながら降伏するための荷重倍率係数の感度の定式化も行った。 以上の感度を用い、テイラー級数展開法を適用して再解析を行う手法を定式化した。これらの定式化に従って感度解析および再解析を行う計算コードを作成し、解析を行った。その結果、以下の知見が得られた。 (1)弾塑性感度を用いた再解析では、荷重倍率係数の感度を考慮しないと、正しい再解析解は得られない。 (2)弾塑性問題の再解析解が意味を持つのは、設計変数の変更に伴って要素の降伏順序が変化しない範囲内のみである。 (3)すなわち、弾塑性感度を用いた再解析に際して合理的な解を得るためには、低次の感度のみを用いることによる誤差を避けるため、および降伏の順序が変わらないようにするための2つの条件を考慮して、設計変数の変更量を制限する必要がある。 開発された感度解析および再解析コードを構造最適化コードに組み込み、弾塑性応答を考慮した構造最適化を試み、弾性応答のみを考慮する場合よりも合理的な最小重量が得られることを確認した。
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