研究課題/領域番号 |
04555103
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
貴島 勝郎 九州大学, 工学部, 教授 (90038042)
|
研究分担者 |
小川原 陽一 九州大学, 工学部, 教授 (20214033)
高品 純志 三井造船昭島研究所, 技術部, 制御技術グループ課長
平野 雅祥 三井造船昭島研究所, 技術部, 技術部長
田中 進 九州大学, 工学部, 助手 (10207102)
藤野 正隆 東京大学, 工学部, 教授 (10010787)
|
キーワード | 船舶操縦性 / 操縦運動数学モデル / 船体流体力 / 船尾形状 / 船体フレームライン形状 / 船長体理論 / 伴流モデル / クロスフロー |
研究概要 |
船舶航行の安全性を確保する為に、国際海事機関(IMO)では操縦性基準を設定すべく検討を進めている。ところが、この基準を満足させる為には、船の設計の段階で操縦性をより精度良く推定することが不可欠となる。しかし現状では、船体の主要目程度の考慮が主となっており、局部的な船型の変化により操縦特性が異なる現象に対応した推定法は確立されているとは言い難い。 また実際上、船の設計時に船型要素を正確に考慮して操縦性能を推定するとなると、数学モデルを用いた操縦運動のシミュレーション計算による方法が最も有効となる。しかしその推定精度にはまだ不十分な点が多く、実用に供するには充分な検討が必要である。さらにシミュレーション計算により操縦性能を推定する為には、その基礎となる船体に動く流体力を精度良く推定さることが必要不可欠であるが、現在のところ、一般の通常船型以外の船型に対して、船体流体力を理論的に精度良く推定することは困難である。 そこで本年度は、船型要素を船体流体力に如何にして正確に取入れるのかについての研究開発を行った。即ち、船の横流れ角が小さく、船体に働く流体力の成分の中で揚力が支配的である場合については、船尾の肥大した針路不安定な船型を対象とし、細長体理論と伴流モデルを組合わせた方法を基に、船尾形状と船体流体力との相関について理論的に検討した。また船尾形状のみが異なる場合の模型船を製作し、船体流体力を計測することにより理論計算との比較検討を行った。一方、船の横流れの大きい場合については、クロスフローを基にした渦モデルを用いて、種々の形状を有する船体横断面に働く流体力の算定法を開発した。以上の結果、船体の船尾形状・各フレームライン形状、自由渦の流出位置・流出角および船体流体力との相互関係が明らかになった。
|