研究分担者 |
高品 純志 三井造船, 昭島研究所, 課長
平野 雅祥 三井造船, 昭島研究所, 技術部長
藤野 正隆 東京大学, 工学部, 教授 (10010787)
大楠 丹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70038537)
古川 芳孝 九州大学, 工学部, 講師 (90253492)
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研究概要 |
前年度導いた渦モデルを用いた流体力の計算法において,船体に作用する横力についてはかなりの精度で計算が可能であるが,モ-メントについては実験値と比較して相異がみられる。この相異は渦の流出方向の違いと,流体力を求める理論計算において,内部領域と外部領域の問題をより正確にマッチングさせていないことによるものであることが判明した。 従って,本年度は渦モデルの改良として,船体から流出した自由渦は,船体の各断面に剥離点を仮定し,渦の流出位置を水平に且つ直線状に流出させる。またこの剥離点は斜航運動時の場合ビルジ付近に仮定するのが妥当であると考えられるが,旋回運動時に左右舷に複雑に変化することより,ここではKEEL線上に置くといった渦モデルを設けて計算を行った。この結果,操縦運動時の主船体流体力を3種類の船型について計算値と模型実験結果を比較すると,渦の位置を変えることで船体形状の違いを考慮した船体流体力を確認することが出来た。 また偏角の大きい領域の運動では船体流体力の中ではcross flow dragが支配的になる。そこで船体が静止状態から直横に運動を開始した時の船体横断面に働くcross flow dragの推定に際しては,渦モデルを用いて船体中央部付近のcross flow dragに及ぼす横断面のビルジ半径と船幅吃水比の影響を明らかにした。 この場合,自由渦の流出方向および流出直後の循環の変化を考慮すれば,現実に即した計算結果が得られる。またこのcross flow dragはビルジ半径が大きくなるにつれて小さくなることが判明した。
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