研究課題
試験研究(B)
FRPロッドをプレテンション方式PCポールの緊張材として使用する場合について検討を行った。ひび割れ荷重、変形および破壊荷重については従来の鋼材を用いたプレストレストコンクリートの算定理論を用いることができ、補強材量およびプレストレス量を調節することによりFRPロッドの破断が生じない、靱性的な破壊形式とすることができる。また、クリープ、乾燥収縮によるプレストレスの減少はこれまでの理論によって対応でき、レラクセーションはFRPの種類によって相違するが、各々の数値を用いてこれまでの算定式に適用してほぼ算定が可能である。パラレルレイロープ(PLR)は連続繊維を平行に並べ、ポリエチレンシースで包んだフレキシブルなロープ状の材料である。アラミド繊維PLRを外ケーブル方式の緊張材として用いたPRC桁の耐力、変形挙動について検討を行った。ひび割れの生じたRC桁をアラミド繊維PLRを用いた外ケーブル方式で補強することによって変形剛性および耐力の向上を計ることができ、ケーブルの使用応力は桁の塑性能力に対応して求める算定式を用いることにより、鉄筋の降伏後コンクリートが圧壊する靱性的破壊にすることができる。低温下の静的挙動は、常温に対し体力が増加するものの終局変位は減少し、靱性が低下する。低温下の疲労強度については、破壊は鉄筋の破断で生じるがS-N曲線はほぼ直線になり、土木学会コンクリート標準示方書の示す疲労強度式を下回ることなどが判った。
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