研究課題/領域番号 |
04555115
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
長滝 重義 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016320)
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研究分担者 |
久田 真 東京工業大学, 工学部, 助手 (80238295)
鎌田 敏郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (10224651)
大即 信明 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40211106)
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キーワード | シリカフューム / 窒素吸着法 / レーザー回折法 / 平均細孔径・総細孔量 / 高性能減水剤 |
研究概要 |
平成4年度においては、(1)シリカフュームの品質評価法、(2)シリカフュームの物理化学的質性、および(3)ペーストを用いたシリカフュームの品質評価についての検討を行った。以下に各々の概要を記す。 (1)品質評価法についての検討 土木学会「高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの設計施工指針(案)」に準じた配合のモルタルに、各種のシリカフュームを混和(置換率:10%)し、フロー値、圧縮強度についての比較を行った。その結果、シリカフュームを含んだモルタルは無混和のものに比べてフロー値は10〜20%程度低下し、圧縮強度は材令28日で15%程度の増加となった。また、高性能減水剤を加えた場合、銘柄により減水効果の違いが確認できた。 (2)シリカフュームの物理化学的性質についての検討 物理的性質については、窒素吸着法を用いた測定では再現性のある結果が得られたが、レーザー回折法を用いた場合、超音波等による前処理方法の違いで測定値が大きく変化する結果を得た。このことより、一次粒子の比表面積は窒素吸着法を用いることが好ましいこと、水中における分散状態はレーザー回折法で検討が可能であることが明らかとなった。 また、シリカフュームの化学成分は、いくつかの相関性のあるものどうしでグルーピングが可能であり、わが国で市販されているシリカフュームには、ASTMなどの海外のシリカフュームに関する規格を満たさない銘柄があることが判明した。 (3)ペーストによるシリカフュームの品質評価 シリカフュームを用いたペーストは、これを用いないものに比べて平均細孔径が小さくなり、総細孔量も減少することが確認できた。また、練混ぜ時点でのシリカフュームの初期形態がこれらの指標に大きく影響を及ぼすことが確認できた。ただし、ペーストの細孔径および細孔量に及ぼすシリカフュームの品質については、現時点では判断が困難であり、次年度以降においてさらに検討を行う必要があると考えられる。
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