研究課題/領域番号 |
04555118
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
安原 一哉 茨城大学, 工学部, 教授 (20069826)
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研究分担者 |
堀内 澄夫 清水建設技術研究所, 研究員
佐藤 研一 茨城大学, 工学部, 助手 (20235336)
福沢 公夫 茨城大学, 工学部, 教授 (50165271)
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キーワード | 石炭灰 / 軽量地盤材料 / 強度 / 変形係数 / 水浸 / 強度低下 / 一軸圧縮強度 / モール・クーロン破壊基準 |
研究概要 |
本研究における、産業副産物の代表的事例として石炭灰を選び、これに特殊セメントによって強度を賦与するとともに、発泡材を添加して軽量化した材料が、盛土や構造物基礎地盤材料として必要な力学的性質を具備しているかどうか、に関する基礎的な検討をすることが初年度の課題であった。このことを詳細に調べた結果、以下のような成果が得られた。 1)特殊セメントにより軽量化されたスラリー(以下、SFCスラリーと呼称)は、通常の粘着性を有する土質材料と同様に、モール・クーロンの破壊基準が適用できる。とくに、実務的には、一軸圧縮強度が他の力学的性質の推定に有用であることが明らかになった。 2)非排水繰返し三軸試験によると、SFCスラリーの動的変形係数は軟岩程度に大きい。また、繰返し荷重履歴後の圧縮強度は、増加する場合と低下する場合があるが、これは、繰返し荷重の大きさに依存する。繰返し載荷後の変形係数についても同様の傾向がある。 3)SFCスラリーは水浸による強度低下が顕著であるが、その要因は、通常の粘性土と同様に、粘着力の低下によるものである。これがこの材料の欠点であり、水浸の影響を受けるような環境下では、この点に十分な配慮が必要である。 以上のことから、SFCスラリーは、土構造物や地盤材料として、十分な機能を有することが分かったが、水浸による強度低下のメカニズムを解明するとともに、これに対する対策が今後の重要な課題である。
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