研究課題/領域番号 |
04555121
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
大根 義男 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00064931)
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研究分担者 |
奥村 哲夫 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (70078913)
建部 英博 愛知工業大学, 工学部, 教授 (10064940)
成田 国朝 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90064956)
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キーワード | 盛土 / フィルダム / 火山灰質粘性土 / 転圧 / シキソトロピー / 強度回復 / 応力伝幡 / 強度低下 |
研究概要 |
前年度に引続き、火山灰質粘性土を用いた盛土実験を行い、応力伝幡の特性や転圧時の繰り返し載荷による強度低下と転圧後の強度回復の特性を調べた。本年度は、応力分散特性の解明に重点に置き、タンピングローラーによる転圧を主体として、試料の種類や計器の配置、及びまき出し厚さやローラー機種を変えた比較実験を行い、これらの要因が応力分散に与える影響を安定的・定量的に調べた。 応力分散特性については、土圧計をローラー走行と直交する方向に配置して側方への伝幡を調べたところ、ローラーの外縁及び外縁からローラー半幅外側に配置された土圧計の値は、ローラー中心の土圧値のそれぞれ約30%,10%となり、側方への土圧低減がかなり大きいことが知れた。また、ローラー中心の土圧値の深さ方向への伝幡を調べてみると、試料(ローム土,マサ土)によって伝達応力の分布に違いが見られ、接地圧評価に際しては材料特性に対応した応力解の適用が望まれる。 転圧による強度低下とその後の強度回復の特性については、まき出し厚さを前年度の半分(10cm)にして追加実験を行ったが、転圧回数ごとに軟化の程度やその変化傾向、及び経時的な強度回復の特性は前年度の結果と大差なく、まき出し厚の影響を認識する程の明瞭な違いは見られなかった。この一因として、今回使用したローム土の骨格構造の強度が、実験に用いたローラーの接地圧と比べて相対的にかなり大きかったことが考えられる。以上の実験結果を踏え、また実ダムへの適用を目指して、盛土内の応力分布特性(アーチ作用・側方拘束力)の評価に関する有限要素解析と、盛土内の土圧計測に関する各種実験を行って補足とした。後者については、在来型とは異なるメカニズムの土圧計の開発を試み、幾つかの室内・現場実験を通じて測定精度や現場への適用性を調べたところ、極めて良好な結果を得た。
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