研究課題/領域番号 |
04555123
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 睦博 北海道大学, 工学部, 教授 (80001139)
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研究分担者 |
中尾 隆志 北見工業大学, 開発土木工学科, 助手 (60101523)
清水 康行 北海道開発局, 開発土木研究所・河川研究室, 室長
籐間 聡 室蘭工業大学, 建設システム工学科, 助教授 (00002915)
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キーワード | 軟X線 / 土中水間の空隙構造 / リング水 / 表面張力 / サクション〜含水率 / 断層写真 / スペクトル法 |
研究概要 |
理論的に誘導した球形粒子間の空隙の確率密度関数を、2種類の実験を介して実証した。1つはガラスビーズ玉を詰めた容器内に特殊なアスファルトを注入してビーズ玉を固定し、アスファルトごとビーズ玉をダイヤモンドカッターで切断し、その断面に現れるビーズ玉の切断面を続み取ってビーズ玉間の間隔の分布関数を求めた。他の実験は、軟x線装置を用いて断層写真の原理に基づいて非破壊のまま、ビーズ玉の空間は位置を測定した。理論分布と2つの実験結果を比較すると粒子間の距離が小さい場合には、差異が認められたが距離が大きくなるにともない実験と理論分布は一致していることが確かめられた。 土粒子が完全な球形粒子より構成されている場合には、粒子間の空隙の確率密度関数を理論的に誘導できたが、土粒子が任意の形状の粒子より成っている場合には粒子間の距離の小さいとき測定誤差が大きいという事実は、粒子間の形成されるリング水の水量の計算に大きな影響を与えることになる。軟x線装置の分解能は固定されているので、撮影技術の向上で誤差を小さくする必要がある。 さらに、等球形と粒径分を有するのガラスビーズ玉をカラムに充填してサクション〜体積含水率の関係を実測した。ビーズ玉が等球形の場合には、幾何学的に空隙を求めることができる。粒径分布を有する場合、等球形の粒子に置換してサクション〜体積含水率の関係を求め、粒径分布と置換された等粒子径のを得た。次に、空隙の理論分布を用いたサクション〜体積含水率を求めた。含水率が小さい場合には、理論と実験値は良く一致しているが、含水率が大きくなるにともない実験値と異なる結果が得れている。理論では、2粒子間に形成されるリング水のみを考えているが、含水率が大きくなるにともない多粒子間にまたがるリング水が形成されるからである。多粒子間にまたがるリング水のモデルをつくり、高含水率領域のサクション〜体積含水率関係を補正した。このモデルにまだ改良の余地があるが、研究成果をカナダとオーストラリアで開催された国際会議で発表している。
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