研究課題/領域番号 |
04555126
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村本 嘉雄 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50027223)
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研究分担者 |
藤田 裕一郎 岐阜大学, 工学部, 教授 (90027285)
山坂 昌成 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (20174641)
石井 千万太郎 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (80006676)
長谷川 和義 北海道大学, 工学部, 助手 (70001328)
池田 宏 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (20015986)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 多自然型河川工法 / 親水性河道 / 河川改修 / 山地河川 / 砂州 / 河岸浸食 / 護岸 / 水理実験 |
研究概要 |
本研究では、まず、多自然型親水性河道の意義と考え方を明確化するために、施工事例と当該河川の特性に関する調査を踏まえて研究会を開催し、多自然型・親水性河川工法の現状と河川の自然性の概念をまとめた。そして、河川の本来の姿は、厳しい自然条件に応じて河道区間によって様相が一変するため、自然性を河川工法に画一的に組み込むことは不可能であることを指摘した。こうした認識に立ち、最近の移動床水理学の成果を多自然型・親水性河道の設計指針に反映するための研究を進め、つぎの結果を得ている。 河川の自然修復機能の評価に関して、沖積地河道の縦断形状および横断形状の形成と変化の特徴を明確にするとともに、現行の多自然型川づくりの対象河川は多くが安定状態にあり、河床砂礫の流送の量と特性および河畔林の樹種などが河道形状に大きく影響していることを見出した。また、多自然型親水性河道維の水理学的機構に関して、渓流河川の渕・瀬の形成と破壊が反砂堆と水面波誘起との関連にあることを理論的・実験的に明らかにした。一方、多自然型親水性河道の生成に関して、河床砂州変化の制御実験を行って、水衝部の局所洗掘特性が渕の形成と河道維持の支配要因であることを示し、また、河道横断構造物の護床工下流の局所洗掘特性を明らかにした。さらに、多自然型親水性護岸の設計指針に関連して、緩傾斜側岸の周辺の流れと境界せん断応力分布を実験的・理論的に解析し、それらの予測法を提案するとともに、典型的な多自然型階段状護岸の安定性をせん断応力と乱れ特性の実験から考察した。最後に、多自然型親水性河道の水理模型実験と数値モデルに関して、河床洗掘と河岸浸食の大型実験ならびに砂州と河道平面形状の共振現象に関する水理実験および数値シミュレーションを実施して、それらの特性を明らかにした。
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