| 研究概要 |
本年度の主な研究成果を以下に示す.
1.真鍮製2次元槽を作製し,有機塩素化合物揮散ガスの2次元拡散挙動実験を行った.地表面境界条件の異なった場合(地表面開放,地表面閉鎖)について実験を行い,その挙動の違いについて検討した.その結果,多孔体を考慮に入れた拡散係数を用いることで現象をとらえることが出来た.また,地表面閉鎖の境界条件の場合,上面開放の場合に比べ揮散ガスの拡散が速く進行することが明らかになった.
2.上記1.で作製した2次元槽を改良し,ガス抜き法による汚染の浄化対策を模擬したガス吸引実験を行った.実験にはトリクロロエチレン原液を用い,吸引距離・吸引流量・モデル土壌の境界条件を変えて行った.地表面の境界条件の異なる場合,モデル土壌が地表面閉鎖条件の場合の方が地表面開放の場合より揮散ガスの排出量が大きくなっていることがわかった.また,吸引流量が大きいほど,吸引距離が短いほど多くの揮散ガスを吸引することが出来ることが明らかになった.
3.現地におけるガス抜き浄化法に対して,土壌ガス吸引による浄化実績,地下水揚水による浄化との比較検討を行った.現地でのデータを基にガス抜き浄化法の問題点,直面している課題を明らかにし,効率的な汚染の浄化について,複数の浄化法の併用,物理的・生物的な浄化技術の併用についても提言を行っている.
|
