研究課題
試験研究(B)
研究代表者の前野は、海洋工事汚濁防止膜に付着する海洋生物の日本沿岸域における分布調査を行い、付着生物相と水質環境との関連および付着分布特性について検討した。また、底生生物の棲息環境と底質との関連の検討のため、底質の土壌分析を行った。研究分担者の綿貫は、海岸構造物への海洋生物の付着に関する文献調査および観測結果の収集を行い、波浪条件と付着との関係を検討した。研究分担者の浅野は、沿岸域植生特に海藻群落の水理学的特性について研究を行い、さらに、マングローブ林の水理特性についても検討した。沿岸域の植生の水理的機能として繁茂域に来襲する波浪の減衰効果があり、流れの静穏化・底質の沈澱をもたらす。研究分担者の宮川は、海洋環境におけるコンクリートの劣化に関する研究を行い、コンクリート構造物の海洋環境における早期劣化は、コンクリート中における塩分の拡散浸透速度が従来の予想よりもはるかに大きく、さらに、塩化物・硫化物等によるコンクリートの化学的侵食あるいは凍結融解作用、乾湿繰返し作用、波浪・漂砂によるすり減り作用などによる物理的侵食との相乗効果によるところも多いことを示した。研究分担者の細井は、海岸構造物の水質保全効果を調べ、この効果を積極的に活用すべく、海岸構造物に付着している生物膜を採取し細菌数等を調べた。さらに、同化可能有機炭素を海水中の有機物の生物分解性を調べる指標として用い、各種海水中の有機物の生物分解性を調べた。研究分担者の堺は、現存する海洋構造物が作り出す環境が水産生物に及ぼす影響について検討し、離岸堤や防波堤などの海岸構造物と海洋生物の調和する条件を調べた。研究分担者の小田は、礫間接触浄化構造物の海水浄化機能について研究を行い、礫の粒径や潮位差は浄化機能にあまり影響しないことを示した。
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