研究概要 |
チューブラ型モジュール,ループ状中空糸膜,平膜固定タイプ,自由タイプの4種類を直接比較することにより,浸漬型膜分離活性汚泥法において,フアウリングによる性能変化が少なく,長期間安定して運転を行えるモジュールタイプの選定を目指した。 エアレーションタンクは塩化ビニール製直方体(400×400×800mm)で有効容積は115Lである。中空糸膜モジュールは,中空糸をループ状にし,末端をまとめたものである。チューブラ-タイプは,気泡が通るように立てて設置した。平膜固定タイプは,四辺が塩ビ板によって固定された平膜を用いるのに対し,平膜自由タイプは,四隅を釣り糸で留めただけであり,膜が揺動するように設置した。 実験は第1期と第2期に分かれており,第1期では中空糸膜,チューブラ型,平膜固定,平膜自由タイプの4種類を,第2期は中空糸膜,平膜固定,平膜自由の3種類について実験を行った。なお平膜は,第1期と第2期で膜間5.0cmから1.5cmに変えた。膜透過水は10分間運転5分間休止で間欠的に吸引を行った。 膜透過流束は、中空糸膜の第1期,第2期およびチューブラ-型モジュールにおいて,実験開始直後から徐々に落ち始め,実験開始後40日目にはほとんど得られなくなった。平膜は固定,自由タイプとも膜間5cmの第1期より,膜間1.5cmの第2期の方が長期安定して運転を行えた。これは、汚泥粘性の違いとも考えられるが,膜間隔の違いに起因しているものと推測できる。また両期間とも平膜自由タイプが最も優れていた。静水中で観測したところ,平膜自由タイプは、四辺の拘束がないため水中で湾曲し,水の流動により緩やかに揺動するため,気泡のあたる位置が常に変化し,付着汚泥の効果的剥離が行えるため,有効膜面積の減少が少なく,膜透過流量が最も優れた結果になった。
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