研究課題
平成5年度の研究の概要本研究は、物理分析の手法を用いて建築史学・構造学・材料学等を総合し、近代建築の建築構法を解明・復原するためのシステムを提案するもので、対象は、凡そ明治初期から昭和10年前後までの下記の項目を選んだ。(1)石材及び煉瓦(2)屋根材及び屋根葺き技術(3)鉄骨構造 そして、これらに対し(1)石材の超音波分析による強度評価(2)セメント等のX線分析(3)鋼材の蛍光X線分析(4)煉瓦積み及び屋根葺きに関する文献調査 を行い技術の復原方法を検討する。平成5年度では対象建物として、明治期の建物として、角島灯台吏員退息所と横浜新港埠頭第2号煉瓦倉庫、大正時代の建物として横浜新港埠頭第1号煉瓦倉庫、昭和初期の建物として、東洋英和女学院中等部校舎を選び、下記の成果を得た。(1)煉瓦目地モルタルについて、横浜新港埠頭倉庫、角島灯台吏員退息所を対象として分析し、その組成を解明した。(2)鋼材・鉄材について、横浜新港埠頭倉庫及び同鉄造上屋の組成と製造法の分析、並びに現代の鋼材を用いて補強する際、必要な溶接性について分析した。(3)コンクリートについて、横浜新港埠頭倉庫の震災復興工事の初期RC壁体の分析を劣化原因の分析と復原のための基礎技術について検討した。
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