研究概要 |
(1)高感度坑井内3軸弾性波検出器の製作:前年度設計を行った高感度坑井内3軸弾性波検出器を製作した。本検出器は本年度のフィールド計測に用いられた。 (2)解析ソフトウェアの開発:堀管ラビング検出ならびに反射面推定ソフトウェアを開発した。また,音源が白色性を有しない信号から反射波の遅延を推定する3軸デコンボリューション法,および,3次元粒子運動軌跡解析による音源放射パターンの推定法に関して検討を行った。 (3)フィールド実験とデータの解析:(a)東八幡平東北大学実験フィールドEE-5井42〜203mの区間(口経189m)の掘削にともなう計測を行い,弾性波放射特性の解析,岩相モニタリング,ならびに地下構造の推定を行った。その結果以前本フィールドで得られたものと整合性の良い地下構造の推定結果が得られた。しかし,掘削ビットは互いに相関の低いP波とS波を放出しているという推定結果が得られ,掘削条件の違いによりビットの弾性波放射特性が異なることが明らかになった。(b)石油公団柏崎テストフィールド3号井274〜700mの区間(口経330m)の掘削にともなう計測を行い、信号の取得に成功した。本データは現在解析中である。(c)前年度取得した柏崎フィールド2号井(1000m)の掘削にともなう信号について,弾性波放射特性解析ならびに地下構造の推定を行った。本信号についてもP波と相関の低いS波の放出が確認された。(d)前年度に取得した電力中央研究所雄勝フィールドHDR生産井(1000m)の掘削にともなう信号の解析を前年度に引続き行い,本方法で推定された人工貯留層構造とAE計測結果との比較検討を行った。その結果,人工的に作成された高傾斜き裂の上端を,本方法により評価できたものと推定された。
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