研究課題/領域番号 |
04555155
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志賀 正幸 京都大学, 工学部, 教授 (30026025)
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研究分担者 |
中村 裕之 京都大学, 工学部, 助手 (00202218)
和田 裕文 京都大学, 工学部, 助教授 (80191831)
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キーワード | 蓄冷材 / 希土類化合物 / 磁気エントロピー / 比熱 |
研究概要 |
1.RMn_2系の比熱測定:前年度の結果から、RMn_2のMnサイトを置換するよりもRサイトを置換した方が比熱の増大には有効であると考えられる。そこで今年度はYMn_2のをScで3%置換したY(Sc)Mn_2の比熱を室温まで精密に測定し、この系の磁気的な比熱を解析した。その結果Y(Sc)Mn_2の磁気エントロピーは低温から100K付近まで直線的に増大し、それがMnのスピンの揺らぎによるものであることを定量的にも明らかにすることができた。これらの結果からRのモーメントの寄与に加えてMnのスピンの揺らぎを取り込んだ場合が本系としてもっとも大きな磁気比熱を示すと考えられ、その候補としてTb(Sc)Mn_2が考えられることがわかった。 2.RMn_2Ge_2化合物の比熱;この系はRとMnがともに磁気モーメントを持ち、しかも異なる温度で磁気秩序を示すと言われている系である。特にRが重希土類の場合、Rのモーメントの磁気秩序は40〜90Kで起こり一次転移を示す。そこでこの系の比熱を測定した。その結果、一次転移点までの磁気比熱やエントロピーはほとんどがRのモーメントに起因していることが明らかになった。またこの系に対して分子場近似と結晶場の効果を考慮して磁気エントロピーや比熱を計算する手法を確立した。RとMnがモーメントを持つような系に対して我々が用いたモデルは今後の蓄冷材の材料開発にも適用できるものと考えられる。
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