研究課題/領域番号 |
04555157
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 譲 東北大学, 工学部, 助教授 (80108464)
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研究分担者 |
中井 清之 旭テック(株), 材料開発部, 部長
斎藤 栄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40134035)
遠藤 守 東北大学, 工学部, 助手 (30213599)
朱 鴻民 東北大学, 工学部, 助手 (40216148)
山村 力 東北大学, 工学部, 教授 (80005363)
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キーワード | Al-Li合金 / 溶融塩電解 / 電解製造 / 炭酸リチウム / 電極電位 / 電流効率 |
研究概要 |
本研究の目的は高比強度Al-Li系合金を、全く新しい方法である溶融塩電解により高品質かつ低コストで直接製造するプロセスの確立である。 平成5年度はAl-Li系合金の溶融塩電解製造においてLi_2CO_3をリチウム原料とする可能性の検討を目的とした。Li_2CO_3はLiClより低コストで、吸湿性がなく取り扱い易い。また炭素質アノードでの発生ガスは処理困難なCl_2でなくCO_2が主成分であり、かつ電解電圧の大幅低下が期待される。この様に多くの利点があるのでLi_2CO_3のアノード挙動を中心に研究を行なった。 先ず、LiCl溶融塩電解浴を用い、溶融アルミニウムをカソード(リチウム析出極)、黒鉛電極をアノードとして電解中にLi_2CO_3をアノードに投入して電解を行ない、Al-Li合金を製造した。この際Li_2CO_3は酸化性が強いのでアノードを多孔質アルミナるつぼ内に限定する工夫を行い、アノードの電位を電流遮断法により測定し、またリチウム析出の電流効率を決定した。 その結果、アノード電位は黒鉛電極近傍へのLi_2CO_3の投入により、LiClの電解(Cl_2発生)電位より1.1V程度(分解電圧の約35%)も低下し、Li_2CO_3の使用が省エネルギーに貢献する事が明らかとなった。またリチウム析出の電流効率も90%以上と、平成4年度にLiClの分解によって得られた値と同程度であり、Li_2CO_3の使用による電流効率の低下は認められなかった。 以上の様に、平成5年度においてはLi_2CO_3を用いる事により、平成4年度にLiClを用いて得られた結果の利点を維持しつつ、さらにコストの低減が得られる事が確認された。
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