今年度の計画範囲は装置の製作と動作試験が主体である。 (1)装置の設計、製作、組立、設置 設計の基本思想としてチタンの溶解・鋳造を想定した真空、不活性雰囲気、加圧下での溶解・鋳造を可能とする炉体構造を設定した。また、差圧鋳造を実現するために鋳型は上部から挿入または下部に設置できるようにし、このためタンクの上下ともふたが開くようにした。さらに予算の制約から電源は現有品を利用することとし、それとのマッチングの調整をおこなった。これらの設計に基づき、炉体を製作、組立、設置した。 (2)動作試験 上下のふたの開閉、鋳型の昇降、炉体の傾動、減圧、加圧、等の基本動を試験し、設計仕様に合致することを確認した。 (3)試験溶解・鋳造 標準的条件の下でカルシアるつぼによりチタンを溶解し、カルシア製鋳型に鋳造し、設計仕様に合致することを確認した。 (4)鋳型試作、通気度試験 今回提案の差圧鋳造を実現するために必要条件である適度の通気性を有する活性金属鋳型を製作するために、鋳型用カルシア材に2、3の有機物を混合し、これを成形、焼成することを試みた。その結果、混合物の種類にさらに工夫を要することがわかり、引続き実験中である。
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